"元"池田町地域おこし協力隊~kuro隊員のその後~

平成31年3月に池田町地域おこし協力隊を卒業したkuro隊員の"その後"をダラダラ綴ります

【前編】信頼していた「協力隊同期」からマルチ商法の勧誘を受けた話(人生2回目)

こんにちは。

とある理由から、先日初めてSEKAI NO OWARIの曲をカラオケで歌ったkuro隊員です。

同席していた女性から「今まで聴いたセカオワの中で一番似てないわw」と評されたので、もう二度と歌わないと思います。

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クソマルチにご注意を

マルチ商法の話

今ですね、REDPOINT(kuro隊員が経営するボルダリングジム)の店番をしながらこの記事を書いております。

最近はほとんど、店番中にblogを書くことは無かったんですよ。

そもそもblogの更新頻度も激減していたし、REDPOINTがノーゲスの日も昔に比べると減ったので、単純に店番中に書く時間が無かった、と言いますか。

 

ただ今はですね、営業中でお客さんがいるのにも関わらず書いております。

完全にスタッフ業務を疎かにしておりますw

 

そこまでして書く理由はなにかって?

そんなん簡単じゃないっすか。

そこまでして書かなきゃならない事件があったからです。

 

信頼していた友人からマルチ商法に誘われたって話!

 

 

はじめに

以下、今回僕が体験したマルチ商法に関する一部始終を書いていくのですが。

ちょっとルールというか制約を設けておこうと思います。

そうでもしないと勧誘者の実名を公表して「こいつ勧誘してくるから気をつけろみんな!!」全SNS上でブチまけかねないくらいに僕は憤っていたので、僕の暴走を防ぐため、です。

 

以下、この記事のルールです。

勧誘者&説明員の実名は出さない

残念ながら、マルチ商法は明確に違法ではないようです。

なので法的に言うならば「悪い事をしている訳ではない」ので(あくまで法的に言うならば、ですからね)実名を晒して当人たちにダメージを負わせることが当記事の目的ではありません。

あくまで僕個人の体験談として書くもの、と位置付けておきます。

 

よって実名は書きません。

「わかる人にはわかる」程度の情報は書く

ちょっと迷いましたが、実名以外の当人たちの情報は書きます

なので、ぶっちゃけ特定される可能性は高いんじゃないかな、と思います。

特に勧誘者である元友人の方、ですね。

勧誘してきた元友人と僕との関係や背景がわからないことには、僕の怒りや嘆きは伝わらないだろうと思うので、その辺は躊躇無く書きます

 

「君たちは僕を踏み台にして金儲けしようとしたんだ、僕もそれを利用して当blogのPV数を稼がせてもらうからね」って僕の暴論です。

これでイーブンってことにしてやる。

悪く思うなよ。

「マルチ君」と「エリート系説明員」

これはルールと言うほどでもないのですが。

この記事では、僕を勧誘してきた元友人を

マルチ君

と呼ぶことにします。

某議会で話題の「スーパーク○イジー君」のように「スーパーマルチ君」と呼ぼうかとも考えましたが、タイピングが面倒なのでマルチ君にしときます。

 

一方、実際に僕の前に姿を現し「この仕組みはこんなに素晴らしいんです!!」と小一時間程度のポジティブ勧誘トークを展開した説明員を

エリート系説明員

と呼びます。

こっちは長くてもいいんかいw

 

いや、ホントに優秀そうな人だったんですよ。

やっていることはアレでも、その能力は尊敬に値するなって理由から、敬意を込めてエリート系説明員と呼ばせていただきますね。

システムの解説はしない

ぶっちゃけ面倒くさいので、今回のマルチシステムについては当記事では解説しません。

あくまで僕とマルチ君とエリート説明員との攻防、僕の目線から感じた想いについて書きます。

ただしシステムについては当blogのPVを稼げそうなので、いずれ別記事で書きますw

 

以上、この記事を書く上でのルールでした。

 

さぁ書いていくかぁ。

【2月14日】不穏なバレンタインデー

今、事の経緯を振り返ってみたらスタートがバレンタインデーってことに気づきました。

そんな日に勧誘ってなにやってんだマルチ君w

 

夜の着信と酔っていた僕

この日は日曜日、REDPOINTの定休日。

僕は自宅にフィンガーボードというトレーニング器具を設置すべく、DIY作業に汗を流していた。いやオマエもなにしてんだよw


Vol.20 DIYで自宅にフィンガーボードを設置する!

夕方頃、無事に作業を終えその出来に満足し、晩酌を始めて数時間後。

ふと目をやったスマホに表示されたのは、マルチ君からの着信画面。

 

わりとしっかりめに酔っ払っていた僕だが、動画の編集と事務仕事を残していたため、一瞬無視しようかと考えた。

完全に酔っ払って寝落ちしてしまう前に、一刻も早く思考力の残っている頭で仕事を片付けたかったのだ。シラフの時にやれ

 

なお、僕が相手や状況によっては平気で電話を無視する人間だということは、ここだけの秘密にしてほしい。

 

ただ、少し違和感があった。

いつもならメッセージでやり取りするのに"なぜこんな時間(21:00)に急に電話を?"と不思議に思った。

"電話するってことは...なんか急用なのか?"と不安になったのだ。

 

そう思った僕は。

やりかけの動画編集の手を止め、500ml缶にわずかに残っていたハイボールを飲み干し、マルチ君からの着信に応じることを決めた。

 

それが全ての始まりだった。

僕とマルチ君の5年間

ここで少し、僕とマルチ君の関係について話しておこう。

僕らは地域おこし協力隊の同期だった。

 

同期とは言っても着任した自治体はもちろん違う。

たまたま2016年4月にそれぞれの町に着任した、という時間的な意味での同期だ。

 

何度か協力隊向けの研修会や交流会で顔を合わせている内に、よく話をする仲になった。

偶然にも同い年ということもあり、他の同期よりも少しだけ距離は近かった、と僕は感じていた。

 

マルチ君の印象は、口数が少ないが周りから愛されるような人間だと感じていた。

決して器用ではないが、さまざまな研修会や交流会に頻繁に顔を出し、仲間たちと楽しそうに交流していたように僕には見えていた。

決して悪いヤツではなかったし、もしそうならば僕がいつまでも友人でいるはずがないだろう。

 

僕もマルチ君も、それぞれの町で3年間の任期を終えて協力隊を卒業した。

その後の僕は池田町に定住を決め、議員になったりボルダリングジムの経営をしたり農家バイトに身を投じたりして、今日までの2年弱という時間を過ごしてきた。

マルチ君は協力隊として着任した町への定住こそ叶わなかったが、その後の拠点を定め、次の目標に向かって精一杯やっている、と聞いていた。

 

僕のごく個人的な意見だが、協力隊としての最低限の成功は定住だ、と公言している。

仮に地域をおこせなくとも、定住できれば合格点、という考え方だ。

その考えは今でも変わらないが、定住できなかったマルチ君をカッコ悪いなんて思ったことはない。

むしろすぐに切り替えて動き出している行動の速さには敬意を表していた。

 

僕らは協力隊という共通点が無くなっても、不定期ではあるが顔を合わせる機会が多かった。

マルチ君が池田町の近くまで来る用事がある時はよく食事に誘われたもので、僕も喜んでそれに応えていた。

卒業後の2年弱で、4~5回は会ったのではないかと思う。

遠距離で暮らす友人同士としては、決して少ない回数ではない。

 

互いの近況報告をしたり、共通の友人知人が元気でやっているかなど、他愛もない話ができる時間が僕は好きだった。

議員であり移住者という立場上、弱音や本音を吐く場所や相手が町内には少ない僕にとって、なんの遠慮もなく自分を晒せる相手がいることが嬉しかった。

 

いわゆる、ごく普通の友人関係だったと思う。

少なくとも僕はそう思っていたし、マルチ商法に染まる前のマルチ君にとっても僕はそういった存在だった....と信じたい。

そもそもごく普通の友人が片手で数えられるくらいしかいない僕にとっては珍しいことだった。

そういった意味でもマルチ君は貴重な存在で、共に過ごした時間は短くともなにかしらの親近感を抱いていたことは確かだ。

 

最後に会ったのは...2020年の9月だったと思う。

2020年末にも会う約束をしていたのだが、僕の都合が悪くなりドタキャンしてしまった。

 

その時、彼が既にマルチ商法に染まっていたかどうかは定かではない。

もし、まだ染まっていなかったのならば、僕はあの不器用ながらも純粋だったマルチ君に会う最後の機会を逸したということになる。

 

その反対に。

もしかしたらマルチ君は、その時に僕を勧誘するつもりだったのかもしれないけれど。

お決まりの誘い文句と僕

話を2月14日に戻そう。

僕はマルチ君からの着信に応えた。

 

数か月ぶりの会話だったのだが、実を言うと僕は詳細をそこまで覚えていない。

なにしろ僕は前述したように酔っ払っていたし、会話の半分は「久しぶりー最近どうよ?」といった内容だったからだ。

 

数分ほど話したところで、マルチ君が切り出した。

マ「ところで...黒田君に会ってほしい人がいるんだけど」

僕「ん?誰?」

マ「いやなんていうか、俺の師匠みたいな人」

僕「師匠てwwwなんの師匠よ?w」

マ「いやまぁいろいろ」

僕「マルチ君の頼みなら別にいいよー」

マ「おぉありがとう!」

僕「会うのはいいけど何の話なの?」

マ「あ...それは今はちょっと」

僕「なんで??」

マ「いやまぁ仕事の話だよ、きっと黒田君のためにもなる話だと思って」

僕「(違和感)へー...そう」

 

(マルチ君、酔っ払った僕の記憶を頼りに再現しているので、間違っていたらごめんな)

 

はっきり言って、この時点で既にまともな話じゃないことは理解した。

何を隠そう、僕は20代前半の頃にも友人からマルチ商法に勧誘されたことがあったのだ。

その友人を過去マルチ君と呼ぶことにしよう。ネーミングがテキトーすぎる

小学生の頃からの親友で、大人になってからも時々麻雀やゲームで一緒にバカ騒ぎできる大事な友人だった。

そんな過去マルチ君がマルチに染まったことに若かった僕は驚き、僕なりに説得を試みたものである。

無論、彼の意志は覆らなかったため、その後はほぼ絶縁状態となった。

あんなにバカ騒ぎして、思い出せば今でも声を出して笑えるような思い出がたくさんあったのに、人間関係の終わりとはあっけないものである。

 

そんな彼の誘い文句も、言葉は違えど内容は同じだったのだ。

「トモキ(僕ねw)のためになる話」「今は言えない」「ビジネスの話」「先輩が説明するから会ってくれ」。

 

それだけで一般的な社会常識、あるいは感覚を持っている人間ならば違和感を抱くに決まっている。

マルチ業界では鉄板のマニュアルトークなのか知らないが、そんな稚拙なアポトークで人が釣れるとナメていることが腹立たしい。

 

「今、こうして僕と話している君が、具体的に説明できない理由はなんだ」とマルチ君に言いかけた。

が、飲み込んだ。

どうせはぐらかす。

わかっている。

だから質問、というかアプローチを変えてみた。

 

僕「わかったよ、じゃあ詳しくはまた今度でいいや」

僕「でも、仕事の話ならせめて概要くらいは教えてよ」

僕「こっちにも師匠(w)と会う心の準備ってものがあるだろ?」

マ「....うーんしょうがないな....実は、個人向けの福利厚生の話なんだ」

僕「へー...個人向けの福利厚生....かぁ」

 

いやいやいやいや。

 

 

 

 

 

 

あやしすぎるだろww

ってかマルチ君

それ言ってよかったの?w

と思った。

もしかしたらマルチ君の本来の素直さが、マルチのルールに一瞬打ち勝った結果だったのかもしれない。

 

師匠(w)と会う日程についていくつか言葉を交わし、通話は終わった。

僕の頭の中は不信感よりも

師匠というワード

が生み出す、いわゆる

ジワジワくる笑い

が占めていた。

師匠てw

シッ師匠てww

 

しかし、ありがたいことに。

刺激的かつこの世でトップクラスに希少なクソみたいな話が僕の酔いを少し醒ませてくれた。

5分ほどジワる笑いの余韻を楽しんだ後、僕は行動を起こした。

やりかけの動画編集ではなく、先送りにしていた事務仕事でもない。

 

そんなものには目もくれず、ググったのだ。

「個人向け 福利厚生」

とね。

 

検索結果は....まぁ驚くような結果ではなかった。

想像通り、どう考えてもマルチ商法のそれだった。

 

怒りも悲しみも同時に湧き上がってきた。

つい数分前まで通話していたマルチ君は、もう僕の知っているマルチ君ではないことを確信してしまった。

彼は既にマルチの勧誘員で、僕をターゲットにして儲からない金儲けを画策しているのだ。

そうか、そうなんだな。

 

しかし。

バカなのはマルチ君だけではなかった。

僕もやはり相当なバカだった。

まだ、チャンスはあるかもしれないと思ったのだ。

 

師匠....じゃなくて、エリート説明員とやらと会って話を聞いた上で、マルチ君の本音を聞き出し、システムの矛盾や愚かさを説けば、彼が元に戻ってくれるかもしれない。

 

そう、僕はまだ諦めていなかった。

酔っ払っていたせいかもしれないが、よせばいいのにマルチ君を救えるかもしれないと思ったのだ。

 

そんなヒロイックな甘い妄想に酔っていた僕もやはりバカである。

 

【2月15日】師匠の正体と決戦は金曜日

マルチ君からの電話を無視した僕

バレンタインデーの翌日、2月15日の21:30。

僕はとある飲み会に参加していた。

池田町に移住してからずっとお世話になってきたご夫婦の奥様の誕生会だ。

REDPOINTを21:00までの短縮営業(通常は22:00クローズ)としてまで参加した飲み会だ。

 

その飲み会に参加して10分ほど経った頃だろうか。

参加者がみな既にほどよく出来上がっている中、僕も追いつき追い越せと急ピッチで生ビールを2杯ほど空にした時。

マルチ君から着信があった。

 

僕は迷わず無視した。

自分の店の営業時間を短縮してまで参加する必要があった飲み会で、マルチ君からの電話に応える理由なんてない。

仕事を理由に飲み会に遅れて参加した僕が「すみませんちょっと電話が...」と言って席を立とうものなら、その場にいる人たちに「忙しいのに無理に誘ってごめんね」と気を遣わせてしまうじゃないか、と。

 

もう僕にはマルチ君を優先する理由はなかった。

むしろ「用があるならメッセージしとけよ」と腹が立った。

「お前バカなのか」とすら思った。

もとい、バカだからマルチに引っかかったのであろうことは想像できる。

 

さっきも書いたことだが、僕は自分の状況や相手によっては平気で電話を無視する人間だ。

マルチ君は既に「コイツ無視していいや」と僕にカテゴライズされる対象になっていた。

 

ただ、それだけのことだ。

今までのマルチ君だったら、着信に応えていた可能性はあった。

でも、もうそうじゃないことは知っている。

だから無視した。

 

前日に救いたいと思ったことは事実だが、自分の生活を壊してまで救いたい訳ではない。

シンプルに優先順位の問題なのだ。

 

定住できなかったマルチ君にはわからない思考かもしれない。

僕は移住先である池田町の人たちをできる限り大切にしつつ、自分にとって生きやすい環境を作ってきた。

結果、僕は定住できたどころか議員選挙で2位当選を果たすことができた。

政治色など一切なく、後援会すら作らず、完全にイロモノ枠の僕が、である。

そうなるまでに神経と貯金をすり減らしてまで、定住するために奔走したのが僕の協力隊としての唯一の成果だ。

 

僕は人前では時に生意気だったり自信満々に振る舞うクセがあるのだが、本当は誰よりネガティブな人間だ。

もしも客観的な目線で、僕が活き活きとしたバイタリティ溢れるポジティブな人間だと感じる人がいるなら、それは僕の仕事モード状態だと思ってもらっていい。

 

そんな僕だから、自分を晒せるマルチ君との時間を大切にしてきたつもりだ。

でも、今はもうそんな必要はなかった。

 

飲み会も解散となり、時刻は1:30。

僕は2次会でしこたま飲んで帰宅した。

冒頭に書いたSEKAI NO OWARIを歌ったのもこの2次会だ。

 

帰宅してやっと、マルチ君からのメッセージを確認した。

「師匠と会ってもらう日時を2月19日に変更したい」とのメッセージを。

 

その時の僕は酔っていたせいかもしれない。

ひどく汚い言葉だが

うぜぇ

と口に出してしまった。

マルチ信者ごときがリスケしてんじゃねぇよ、と思ったのだ。

こっちはお前を救おうと思って師匠....じゃなかったエリート説明員と会うために予定を空けたんだよ。

 

しかも変更先の日が金曜日って

決戦は金曜日

じゃねぇかよと

笑えないジョーク

が浮かんできた。

いくら僕がドリカムの吉田美和さんの出身地である池田町の人間だからって、お前笑わせんじゃねぇよ、と。

 

マルチ君は確かにバカだが、その程度の小者に感情的になってしまった自分が少し悔しかった。

そんなモヤモヤを消化できないまま、僕はすぐに眠りに落ちた.....。

 

後編に続く

ふと気づけば、既に7,000字を越える記事となってしまいました。

もしかしたら過去最長かもしれませんw

それだけの文字を紡ぐほどに僕がマルチ君に対して友情を感じていたってことが本人に届けば嬉しいですが、きっと無理でしょうw

大丈夫、これが届くなんて思っていないからさ。

 

しかし、まだエリート説明員との対面&その後の僕とマルチ君とのやり取りを書けていないのが僕にとっては不満なので。

後編に続きますw

 

今日....はもう無理かもしれませんが、明日(2月20日)には公開できるようがんばります。

 

ではまた(^O^)/