こんにちは。
北海道十勝地方池田町地域おこし協力隊、任期の半分を終えたkuro隊員です。
働き方改革への違和感
先日Facebookのタイムラインに流れてきた記事を読んで、元・社畜系サラリーマン(現・自由系協力隊)として激しく共感しました。
国や一部の大企業が先導して推し進める働き方改革なんて、一体誰が得するんだろうと疑いの目でしか見られない。
そんなひねくれ者のkuro隊員がサイボウズについて書かれた記事を紹介します。
サイボウズとは
「cyber」+「boze」=cyboze
社名の由来は以下。起業HPより引用。
「電脳」を意味する「cyber」と、親しみを込めた「子供」の呼び方「坊主(bozu)」の造語によるものです。
「電脳社会の未来を担う者達」という意味も込めています。
1997年8月設立。企業グループウェアやアプリの開発を主たる事業として国内外に事業所を持つ東証一部上場企業。
多様な働き方を模索し続け、離職率を4%にまで抑えた実績あり。最長6年の育児休暇とか全社員が在宅勤務OKとか最高。
プレミアムフライデーやシルバーウィークなど、いかにも国が考えそうな画一的で施策ではなく「100人いれば100通りの働き方」を実践する稀な企業。
「働き方改革に対するお詫び」という広告
こんな記事を読みました。
リンク先の記事中に「働き方改革に対するお詫び」の画像が貼ってありますが、その一文を引用↓
とにかく残業はさせまいとオフィスから社員を追い出す職場、深夜残業を禁止して早朝出勤を黙認する職場、働き改革の号令だけかけて現場に丸投げする職場。なんですか、そのありがためいわくなプレミアムフライデーとやらは…。
ほんとこれ。
もう一度言うけどほんとこれ。
ありがためいわく。これ以上に簡潔に働き方改革をまとめた言葉は思いつかない。
いらないんですよね。福利厚生&ワークライフバランスの押し売り。
泣いている子どもに「アメ与えりゃ大人しくなるだろ」レベルの応急処置感。
とりあえず「休み取っていいよ」って言ったから、あとは休むも休まないも自己責任。仕事量も目標値も減らす訳ないけどワークライフバランスのために効率良くやってね、と。そんな感じ。
以前に書いた記事の中で「ワークライフバランスの押し売りはいらん」みたいな事を書きましたが、それをこんなに説得力のある人が発言してくれて感謝ですよ。
なお「働き方改革に対するお詫び」は2017年9月13日、日経新聞の広告として掲載されたもの。それについての青野慶久社長のコメントは↓
日本経済新聞の広告だけでなく、交通広告もたくさん出しました。霞が関駅にも出しました。
株主には「こんなことにお金を使って」と怒られるかもしれない。でも、今の資本主義に対して違うやり方を見せたい。
インパクトのある広告なので下手な商品広告より企業そのものを印象付けるとは思いますが、間接的なPRとしてはちょっと規模が大きい。
好奇心からこの広告掲載料はいくらか調べてみたら驚愕の金額。
日経新聞の全面広告は.....20,400,000円。
そりゃ株主に怒られるかも知れんわ。
参考↓
広告料金早見表 日本経済新聞朝刊全国版料金表 NIKKEI AD Web
多様な働き方をガチで推進するサイボウズ
上記のリンク記事にはお詫び広告以外にもサイボウズの様々な取り組みが紹介されています。面白いと思った部分を抜粋して紹介。
①多様性を認めない管理職から部下を全員外す
結構えぐいこともやっています。多様な個性を認めない上司がいたときは、1回目はイエローカードを出して、もう1回同じようなことをしたら、部下を全部外す。
さらっと言っていますが大胆。小さな会社ではベテラン社員の役職確保のため、肩書だけ課長=その「課」に属する社員は課長のみ、なんてリアルに「ヒラじゃかわいそうだから役職だけあげるよ」状態な話を聞いた事があります。
そうではなくてちゃんと部下がいるのに、多様性を認められない事を理由に部下を全て外すという事。もし自分がそうなったら泣きたくなるわ。
ただし頭の固い管理職に対する厳罰だけじゃなく、強烈な個性や価値観であっても仕事に有益であれば受け入れる懐を感じるのが下の一言。
俺は昼夜構わず働きたいという人は、それは一個の個性なので、ぼくは否定しない。でもそういう人が部下にも同じ働き方を求めるのは許さんと。
これが本当に徹底されているのなら、確かに良い企業だと思う。
「結果を残すためにプライベートを削ってでも働きたい!」って想いで自ら長時間労働したいって人もいるでしょう。そうでなくても、大きな案件が重なって一定期間深夜まで働く事もあるでしょう。
それを認めずに「残業は月〇〇時間までだから〇時には会社の電気消すから!」と通達して強制的に帰らせたって、平日の残業時間が奪われるのなら早朝or休日に自宅でやろう、とか思っちゃうでしょ。
究極、翌日の9時が納期限であと2時間あれば終わる仕事があったとして、今は21時。会社の消灯は22時。残り1時間じゃ完成までの半分しか終わらない。この場合でも「残業するな!帰れ!」って言うの?
強制的な退社時間を優先して22時に帰らせたら、その仕事どうなんの?明日早出してやるの?それも時間外労働だけど早出ならいいの?直前で予想外の事が起きたらどうすんの?
23時まで消灯時間を延長して終わらせたらいいじゃん。一時的にルールを変えちゃったらいいじゃん、と。
ただ機械的に「残業は〇〇時まで」と決める事の数少ないメリットは、そこを終点として逆算で時間を計算する事になるので、状況によっては残業削減や業務効率化に有効な手段かも知れない。
しかし一時的に忙しい時なんかは「ちょっと今週オーバーするわ!」→「OK!ガンバ!」くらいの軽さでルール変更できる事が前提。忙しいっつってんのに「残業時間オーバーの理由書書け」とか、なんで会社が社員の足引っ張っんのよ、と本気で思う。
ワーカホリックだって一つの個性。本人がそれでも幸せならいいじゃない。
とりあえず上記に貼った青野氏のコメントは「長時間働くのはいいけど、それを周囲に強制したり強制されたりはNGですよ」ってkuro隊員は解釈しましたよ、って話です。
②副業禁止を禁止
これからは人手不足の時代です。優秀な人を、例えばベンチャー5社で雇って、週1日ずつ来てもらってはどうでしょう。そうすれば、自分たちでは雇えないような人から毎週アドバイスを受けられる。優秀な人に週1日でも手伝ってもらえる。
地域おこし協力隊業界でも大きな問題の一つである「副業の可否」。協力隊レベルの話なら副業ガンガンすべきだと個人的には思いますが、顧客の個人情報やら社外秘情報やらを抱える規模の企業なら、情報セキュリティ上簡単に副業OKとはいかないのでしょうか。
「本業に支障をきたす恐れがある」とかのアホっぽい緩い理由なら、突けば覆りそうですけどね。支障が出ないならいいんでしょ、と。そもそも支障をきたすってどんな状況の事を指すのさ、と。
③定年の廃止
もうひとつ狙っているのが、定年の禁止です。アメリカでは定年は憲法違反だそうです。これによって年功序列がつくられているので、定年を廃止した瞬間に、年功序列の給与体系を見直さざるえない会社が出てくるはずです。さすがに、80歳まで給与を上げ続けるわけにはいかないですから。そうすると、下がるというダウントレンドを作れるようになり、若い人の引き上げにつながります。定年を年齢差別として禁止すれば、結構、日本の会社は動くと思います。
kuro隊員にとっては先の話なのでどっちでもいいですが、年功序列の廃止には賛成です。その恩恵を受けている人には申し訳無いですが。
年齢じゃなくて能力や成果に対して給料を払えばいいんじゃない。肩書と年齢だけで偉そうにしている管理職が困ったって知らんよ。
「働き方改革は休み方改革だ」
対談:星野佳路×青野慶久
サイボウズ関連でもう一つリンクを↓
星野リゾート代表の星野氏とサイボウズ青野氏の対談記事。こちらも働き方に対して面白い案が。
大型連休を地域ごとにずらす
働き方と言うより「休み方」を変えるべき、と話す星野氏のコメントは頷けるものばかり。特に休みを「分散」させなければ休んだ実感が得られない、の部分は激しく同意。
「自分は今日、しっかり休んだ、ゆっくりしたな」と。具体的には、休みをもっと分散して取らないといけない。この「分散」が、とても大事なキーワードです。
ゴールデンウィークなどの大型連休に対しては↓
休みは4日あるけど旅費が高いから2日しか旅行に行けないとか、渋滞にはまって何時間もクルマの中にいたとか、空港で長い列に並ぶとか、休みを存分に満喫できていないんですよ。
プレミアムフライデーは「分散」とは真逆、と↓
完全に逆ですね。休みの集中をさらに煽るだけです。同じ意味で、わたしは「ゴールデンウィークは地域別に分けて取るべき」と提唱しています。
各地に拠点や工場を持つ企業や銀行業務の変更など、分散に対するリスクに触れつつも、しっかり自身の星野リゾートの事にも言及。
星野リゾートにとっても、休みを分散してくれれば、施設利用者の満足度も高くなるし、新たな時期の需要にもつながる。
ほんとこれ。
kuro隊員も北海道を旅行するのが大好きですが、ゴールデンウィークなどの大型連休はあまり動きません。混んでるから。
「行きたい所があるから旅行に行く」のと「連休だから(とりあえず)旅行に行く」のは大違い。一日だけのお祭りとかは混雑を避けようがないですが、景色を見に行くだけなら極力人が少ないであろう日を選びたい。
そんな個人的な話はいいとして。
昼休みだってずらせばいい
kuro隊員が「そう!これこれ!」って声に出して言ったのが以下のコメント↓
弊社の話だけではなく、例えば昼食の時間もそうですよね。都市部は12時~13時の1時間に多くの人がランチを食べることになっている。
でも、昼食を取る時間を11時~、12時~、13時~と分けるだけで、必要なキャパシティは3分の1でよくなるはず。すごくもったいないことをしているなと思います。
ほんとこれ。
もう一度言うけどほんとこれ。
なんでみんな固定で12時~13時で昼休み取るんすか。飲食店混むでしょ。コンビニのレジすら混むでしょ。満席だから次の店へ...とか面倒臭いし時間もったいないでしょ。
ちょっと時間ずらせば待ち時間減るじゃん。せっかく休むなら質の良い時間を過ごした方がいいじゃん。
ちなみにkuro隊員は勝手に昼休みずらしています。昨年から地域に馴染むための手段として「週2回以上ランチは飲食店で」と決めていたのですが、小さな町でも12時~13時のお昼時はやっぱり混雑するんですよね。
せっかく飲食店に行くなら店員さんと挨拶以外のおしゃべりを交わして交流を深めたいじゃないですか。と言うかそれが目的なんだし。kuro隊員が店員だったら「このクソ忙しい時間帯におしゃべりなんかできねぇよ」と思ってしまうし。
11時半に開店する店に行くなら11時半から昼休み。12時開店なら13時から昼休み。空いてて快適じゃん。おしゃべりできて交流深まるじゃん。
連休を地域ごとに分散するのは規模が大きすぎる話なので、簡単に実現するようなものではありませんが(やるとしたらそれこそ国主導に...)、昼休みの分散ならさほど難しい話ではないような気がするんですけどね。
まぁ勝手に個人的にやってるのでいいんですけどね。人口が多い地域こそそうなればいいのになぁと思った次第です。都会で暮らす気は無いkuro隊員の独り言。
最後に
「100人いれば100通りの働き方」と言っても、全員が数年間の長期休暇を取ったり在宅勤務になる事は無いのでは、と思います。
「俺は誰に管理されなくても成果出せるから在宅」「やっぱり会社に出勤する事で仕事スイッチが入るから出勤」みたいな分かれ方をするんじゃないでしょうか。
先にも触れましたがサイボウズ青野氏の言葉の通り、「昼夜問わず働くのは否定しないけど、それを部下に強制するな」って事です。広い意味で捉えると部下だけではなく一緒に働く全ての人に強制しなけりゃいい。
働き方改革とは画一的なものではなく、個々が最大に能力を発揮できる方法をゼロベースで考えそれを企業が懐広く受け入れる、って事で解釈します。
先日の脱社畜ブログ紹介記事もそうですが、なんだかんだ言って労働関連のネタはすらすら記事が書けます。文句つけてばっかりだけど社畜やっててよかった。
ではまた(^_^)/~
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