こんにちは。
北海道十勝地方池田町地域おこし協力隊、残り任期は4か月のkuro隊員です。
移住した理由が軽い件
ここ数日で池田町に移住した理由を何度か質問されたけど、"一言でまとめるとタイミングが良かったから"的な答えしか持ってないんだよなぁ。
— kuro隊員 (@kuro_ikdcok) 2018年11月29日
最近はあまり聞かれる機会の少なくなった、移住を決意した理由(=協力隊となった理由)についてなんですが。
これがまた公務員を辞めた理由並みに大した理由じゃないんですよね...。きっと質問者が求めている答えはもっとキレイな話なんだろうけど、残念ながらkuro隊員にそんなストーリーは無い。
kuro隊員が池田町に移住した理由はショボいよって話!
当記事同様、大した理由のない話はコチラ↓
"移住者=夢追う自由人"とは限らないよね
移住者とか協力隊とか、なんなら起業家でも一緒じゃないかと思うのですが。
ちょっとだけ世間一般の人と違う道を選択したからと言って、その背景にある理由や経緯などが全て美談とは限らないのです。理想の生活環境を求めてでも、都会の暮らしに疲れたからでも、個人の事情なんて何でもいいですよね。
まぁそもそも移住するのに理由なんていらないと個人的には思うんですが、どうもなんというか、移住者&協力隊になったそれっぽい理由を求められることが時々ありまして。
最初のうちは"地方での暮らしに憧れて..."みたいなことをペラペラと話していたのですが、最近は移住者である自覚が薄れてきたのか、"えーと...なんて答えてたっけなぁ"と曖昧感MAXになりつつあります。
質問者が求めているであろう"それっぽい理由"を述べるのは簡単ですが、移住して2年も経つと(リゾバ時代も含めると4年以上)なぜ田舎に移住したのかなんてあまり考えなくなるし、もっと言えば"理想の暮らしを求めて移住した人を紹介!"みたいな扱われ方はなんか違うなと思い始めたので、文字にして残しておこうかな、と思った次第です。
"ストーリー"をやたら重視するのってなんだ
ちょっとここから話が逸れるかも知れません。
誤解を恐れずに言うと、地域おこしの現場でもよく耳にする"特産品を売るには背景のストーリーが必要だ!"みたいな風潮が、実はとても苦手です。
もっと正確に言うと。
ストーリーが必要というセオリー(以下要ストーリー説)自体はもちろん正しいと思うんですよ。思うんだけど、なんでもかんでもそれを一律に当てはめようとして、無理矢理ストーリーを作り上げちゃう感が苦手です。
差別化、付加価値、地域資源の発掘といったワードにも似た空気を感じます。"できるだけよく見せよう(よく見せる材料を探そう)!"というベクトルというのか...それ自体は何もおかしなことじゃないとわかっているんですけどね。
苦手と思う原因はまぁいくつかありますが
- 外部の人間が主導して当事者がついていけてない感
- ストーリーよりも先に見直すべきとこないのか感
以上の2つが大きいですかねぇ...。
外の人「この地域の特産品、作り方とか面白いからストーリーくっつけて売り出しましょう!」
住民「はぁ...(なんかよくわかんないけど)」
みたいな感じというか。
で、ストーリーという付加価値をまとった特産品を飲食店でも道の駅でもなんでもいいですが、販売することになったとして...。
素晴らしいストーリー、きれいなパッケージに対して販売スタッフのサービス面がついていけないと、それで台無しになったりもするじゃないですか。正直、地方のサービス面は"おもてなし"とか"観光地"と掲げちゃいけないレベルの問題も珍しくないので...。
北海道の観光を表すフレーズをちょっと引用しますが
「自然は一流、施設は二流、料理は三流、サービスは四流、関係者の意識は五流」
(多分)個人の移住情報サイトである北海道移住プロジェクトより。
北海道はこんなこと言われちゃうくらいですからね笑
まずサービスと意識を何とかした方が...と思う訳ですよ。特産品に限らず新しくキレイな施設を建てましたー!って言っても、そこの内側の人間がダメなら正直その施設は負の遺産になること必至。それをダラダラ続けることが雇用の受け皿創出なんて絶対に思えない。
少なくともkuro隊員の場合。例えストーリー付きの特産品が素晴らしくても、売ってる人間のサービスが悪ければ2度目は無いな、となりますかね。逆にそれほどうまい料理出してる訳でもないのに、"あの店員さん元気かなぁ"と飲食店を再訪することは多々ある。
だから"ストーリー重視"の風潮が苦手って話だったんですが、これからストーリーを作っていこう!という取り組みは素敵だと思います。何事もスタートアップに関わるのが最も大変だけど、成功した時の見返りや達成感も最も大きいじゃないですか。
あくまで捻りだすように添えられるストーリーが苦手って話です。
それが冒頭に書いた移住した理由うんぬんとどう関係するのかというと...。
あ、その前に。
上記のサービス悪い~のくだりは、特定のどこかに向けたものではありませんからね。
一応、北海道をあちこち巡って住んだkuro隊員の経験から描いたイメージ、ということにしといてください。
美談にしたがる病
一見すると関係無いようなことをダラダラと書いてしまってますが...。
つまりは"どうして事実以上に美しくしようとするの?"って疑問です。テレビでもなんでも、一生懸命に誘導・脚色して美談に仕上げようとするのが気持ち悪いなって話。なんでも美談にしたがる病。
"メディアってそういうもんだから"と言えばそれまでですけどね...。それは華やかな世界で勝手にやってりゃいいのに、わざわざ移住者まで引っ張り出して美談化しようとすることにちょっと違和感。
移住成功者の良い面だけを切り取って移住は素晴らしい!理想の暮らし!というのは、たまたまその人が移住先に合う能力、人柄、タイミングetcを持っていたor恵まれた、非常に限定的な条件下の成功事例でしかなくて。
移住した苦労やデメリットこそ取り上げるべき部分だと思うのですが、どうも美しいストーリーに仕上げることばかり考えているのがね...一人の移住者としては嫌だな、と。まぁそうやってコンテンツを作るのが仕事だからしょうがないんでしょうけどね。
つまり。
移住した理由の軽いkuro隊員は、そういう"美談向き"ではないので聞いても面白いこと言えないよ!って話です。
Q:移住した理由はなんですか?
A:都会は人と車多くてうっとうしいじゃないっすか。交通量の多い交差点で右折待ちしてて、3回も赤信号に変わった時に"ちょっともう(都会は)いいかな"と思って。"人生にこの待ち時間いる?みたいな!"です。
Q:池田(十勝)を選んだ理由は?
A:景色が好きだったのもあるけど、一番は協力隊募集のタイミングと条件がピッタリだったので!仕事ありきです!はい!
Q:移住してみてどうですか?
A:生活も人間関係も何一つ不自由ありませんが、協力隊って立場がないとどうなっていたかわかりません。多分心折れて無理でしたね。
本心で答えるとこんな感じになっちゃうかな...絶対メディア向けじゃない。
そうやって軽い理由で移住して、大したストーリーなく生きていますが、毎日楽しくやってます。
だからストーリーも美化もいらねぇや、って話でした。
最後に
気付けば文句ばっかになっちゃった!
本音的なことを書こうとすると全然まとまらずに愚痴っぽくなったり、結局何が言いたいのかわからない文章になります。これがkuro隊員のありのままの文章力です。
今までに取り上げていただいたことは概ねありがたいと思っていますが、どうも必要以上に脚色したがるようなこともいくつか体験したので書きました。
とりあえず
kuro隊員にストーリーは期待するな
ってことで!
ではまた(^_^)/~