"元"池田町地域おこし協力隊~kuro隊員のその後~

平成31年3月に池田町地域おこし協力隊を卒業したkuro隊員の"その後"をダラダラ綴ります

地域おこし協力隊2年目の方針を考える~停滞している現状打破の特効薬~

こんにちは。

北海道池田町地域おこし協力隊、任期2年目のkuro隊員です。

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そうだ、視察にいこう

kuro隊員の大好きな出張です。今回はなんと四国&中国地方という未知のエリア。

これまで日本国内での最西端到達地点は神戸空港。なお関空行きの飛行機が欠航になって仕方なく訪れた次第。今回は一気に記録更新です。

視察先にピックアップしたのはどこも魅力的なまちと宿。楽しみ過ぎて浮ついているここ数日ですが、出張トラブルメーカーとしては一抹の不安もあったりします。

新年度早々に視察研修を組んだ訳

迷走?ターニングポイント?

2017年度早々に限られた旅費を思い切ってブチ込んで視察を組んだのは訳があります。

協力隊2年目の活動方針が全っ然まとまってないんですよ。先月中旬から作り出しては白紙に戻して、考えている最中にも新しい話が舞い込んだりアイディアが思いついたり色々な人の出会いから考えさせられたりetc。

正直、困ってます。

変な言い方ですが「何でもやってまちに溶け込みます」を活動方針として掲げた1年目は楽だったんだなぁと思います。各所からお誘いいただいてホイホイ乗っかっていただけだったので、ある意味自分で考え抜いて計画した事なんて本当に僅かだったなぁ、と。

元々2年目は方向性を絞って活動するつもりだったのですが、いざ自分で考えだすとまぁうまく形にならないこと。やりたい事はいくつかあるけど、それが果たして地域おこしに繋がるのか?そしてナリワイとなるのか?そんな感じで一向に前に進んでいません。

方向が定まっていないと、あまりに日々が早く進んでいくように感じて結構焦ってます。ボルダリングや迫るライブの練習やblog更新やセミナー開催の資料作りなど、ToDoリストだけはしっかり埋まってるしそれなりに忙しく楽しい日々なんですが、目指す先が定まっていない事がこんなに気持ち悪いなんて初めて知りましたね。

状況打破の特効薬には思い切った策を

しかしそんな事でモタモタするのは嫌いなので、「日々考えていても結論が出ないなら、少しの間でもいっそ環境をガラっと変えてみよう」と。

kuro隊員は北海道が大好きなので、視察も研修も基本的には道内だけでいいと思っていましたが、今回は状況打破の特効薬として本州進出です。

もちろん何となく遠くへ行ってみよう!ではなくて、ちゃんと理由があります。kuro隊員=地域おこし協力隊の旅費は税金なので、軽々しく使う気はないですからね。

kuro隊員が漠然と思い描く町おこし

kuro隊員がボヤっとイメージしている町おこしについて。これもまとまっていない案なので、ツッコミどころ満載だと思いますがご容赦を。

民間先導

まずはコレ。「主導」じゃなくて「先導」です。

行政先導&補助金、助成金ありきでしか成り立たない事業にはあまり興味がありません。と言っても最初から単発目的の補助金は大いに活用しますよ。新規起業助成金とかセミナー開催支援金とか。

「どうせ役場なんて...」みたいな頭っからの行政批判じゃなくて、やっぱりスピードと柔軟性、そして自由度に制約が多くて個人的に合わないってだけですよ。誤解の無いように。

池田町でも行政だからこそできている事業があります。まぁワイン事業はおいといて、いきがい焼きとか子ども夢事業とか。

でも本当の意味での地域活性化とは、民間先導であるべきだと思います。地方創生施策の末端であるkuro隊員が偉そうに言う事でもないですが、本気でそう感じます。

結局はそこに住んでいる人間の満足度を向上させるには、行政主導で住民がそこにブラ下がるだけの仕組みは適さないと思います。何かあったら「行政の責任だ」「これだから役場は」でオシマイなので。想像ですがね。

最初はやっぱり有志の力

じゃあ誰がどうすれば継続性があって住民の満足度UPできるんだ、と。

DIYならぬDIO(Do It Ourselves)ですよ。

そりゃやっぱり自分たちがやりたい事をやるのが一番じゃないか、と。それがkuro隊員の地域おこしの方向性だと、何となく定まりつつはあるんです。

協力隊になる直前からイメージしていた理想ですが、ボルダリングジムDIYを通して実感へ変わったように思います。あぁ、これは大変だけど楽しいな、と。夜な夜なクソ寒い中の作業は正直しんどい事もありましたが、ベタな言い方をすると苦労した分愛着が湧いて、永く続けられるジムにしたいと心から思います。

まぁ結局有志が苦労して割食うだけじゃないかと言われそうですが、ぶっちゃけその通りなんですよね笑。自分たちが自分たちの町を自分たちの手で良くしたいなら、そりゃ手間もかかるし疲れるし、結果報われないことだって多々あるでしょう。

が、それは誰のせいでもないんですよ。役場でも無ければノリが悪くて付き合ってくれない他の住民のせいではない。

何か町のためになる事を始めたはいいけど思ったより大変で「俺たちはこんなに頑張ってるのになんでアイツらは協力してくれないんだ!」と言いたくなる気持ちはわかりますが、それは最初の目的を見失ってしまってますよね。

有志で取り組んだ事は成功の恩恵も失敗の責任もそのメンバーのものです。失敗の責任を外に押し付けたり、無理に関係無い人たちに恩恵をバラまく必要なんて無いと思います。

極端に閉鎖的にならずに誰か賛同者が現れた時には「一緒にやろうぜ!」って扉を開けておくことさえできれば、少しづつでも仲間が増えていくんじゃないかな、と。それが地域おこしの成功に直結するかどうかは別として、「何か町を良くする事しようぜ」ってムーブメントがあり続ける限り、少なくとも退屈する時間は減って生活していけるんじゃないか、と。

目標に向かって行動し続ける事は時に負担かも知れませんが、娯楽も新たな出会いも少ない田舎で仕事だけして生活していくよりは、満足度UPに繋がると私は思います。

そこで何か潤いをもたらす事業ができれば儲けもの。

そんな泥臭い活動が「文化」となる...かも知れない

もしも前述のように活動する有志がウジャウジャいる町があったら、「この町なんかすげーな」って思いませんか?

その活動が習慣になって、若者は少しづつ減っていくだろうけど確かに受け継がれていけば、それは一つの文化と言えると思います。池田町には果敢にチャレンジする文化がある、なんて言われたらカッコいいじゃない。

行政が税金を投入して立派な交流施設を作っても、「そこに集まるのはこどもと保護者、高齢者がメインではないだろうか?それは必要だけど、若者はそこに集まるのか?そこに新しい活動や文化は生まれるのだろうか?」と思います。もちろんそういった施設があるにこした事はないし、ソフト面では学ぶことも大いにありますよ。

ただ単に自分がそこに積極的に携わる可能性は低いかな、と。もっと根底の泥臭い部分でチマチマ活動していきたいなと思うので。

点と点を繋いで面に

アルベルゴ・ディフーゾ

ってご存知でしょうか。kuro隊員は先月知った言葉です。

イタリア語で、直訳すると「分散型のホテル」だそうです。早い話、一つ町中に点在する様々な施設をまとめて一つのホテルだよ、という考え方。

受付が1か所あって、町内どこかの部屋に泊まります。食事はエリア内のレストランなり居酒屋なりで用意されます。銭湯や温泉があればそれもホテルの一つ。

要はでっかい箱(ホテル)を新設しなくても、民泊含めた今あるもので町中が観光客をおもてなしするってイメージかと思います。

参考までにリンクを貼りますが、文中にもあるようになかなか資料が見つからない。

coinaca.com

これ面白いなぁと思いつつ、規模が大きすぎてうまく言葉にまとめられませんが、kuro隊員の理想というか町づくりのイメージに近いような気がするんですよ。

ブドウ畑での農作業体験とかボルダリングジムをはじめとしたアクティビティを何とかして増やして、それ全部一つの括りだよって。

まだ日本では法律上実現できないそうですが、それを変えようという確かな動きもあるようで、今後どうなっていくのか非常に注目しています。

ちょっとだけ書かれていそうな書籍発見。

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ところで今回の視察先

さて、今回の視察で訪れる地域の一つが岡山県倉敷市の美観地区。国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されているエリアです。

ここにあるゲストハウスが視察先の一つ。

u-rin.com

創業者の中村氏はゲストハウス開業やまちづくりのセミナーで全国を転々としており、kuro隊員は3月の札幌と鹿追で開催されたセミナーにてお会いしました。この記事冒頭の画像は札幌会場にて撮影したもの。

その際に前述のアルベルゴ・ディフーゾの話を聞き、ぜひ中村氏が創った有鄰庵を見てみたいと思ったんです。ゲストハウス自体は日本では新しいものだけど、見事に伝統ある美観地区と共存できているので。

もちろん池田町とは条件が全く違うのは承知の上ですが、これは今後の方向性を決める上で一つの指針になるのでは、と直感。

果たしてどんな学びがあるのか。

最後に

活動方針でゴチャゴチャ悩んでいたら、4月もあっという間に半分近くが過ぎました。

協力隊の残された任期は着々と減っていきます。

「突っ走ってばかりじゃなく、時には立ち止まって考えるのも大事」って意見はよく見聞きします。一理ありますが、できることなら小走りくらいのスピードは維持して振り返ったり悩んだりしたいもんです。落ち着きの無い男、kuro隊員。

 

視察先の詳細は、別の記事で紹介したいと思います。

ではまた(^O^)/