こんにちは。
北海道十勝地方池田町地域おこし協力隊、読書と映画に飢えているkuro隊員です。
おはよう北海道
野球中継とニュースくらいしかTVを観ないkuro隊員ですが、毎朝アラーム替わりにTVタイマーをセットしています。チャンネルはもちろん、不要な情報が少ないNHK一択で。
7:45頃から地方放送に入り「おはよう北海道」が流れ始めるのですが、この番組が結構なローカル情報を取り上げてくれるので好きです。あ、kuro隊員もちょうど1年前に一瞬だけ出演した事ありますね。ホントに一瞬。
3月22日は音威子府村にて古くから続く駅そばの特集でした。
常盤軒(音威子府村)
北海道で最も人口の少ない村(約750人!)であり、準最北端の村(最北端は猿払村)である音威子府村。
宗谷本線(JR北海道)の走る音威子府駅に店を構えて80年超。以前はホームで販売していたようですが、現在は駅構内の片隅に移転した「常盤軒」。
店を切り盛りする西野さんご夫婦も80歳を超えているというから驚き!
3代目である西野さんですが、跡継ぎはいないそうで「自身の身体もいつまでもつかわからない」と番組内でお話されています。どこの地方でも後継者不足は共通課題。
駅近くの自宅で仕込みを済ませ、豪雪の中で材料を運ぶだけでも大変そうな様子がTVに映されていました。
この雪の中、ソリを引っ張って何往復もするのだとか。そりゃ若者でもしんどいわ。
池田町同様にかつては鉄道関係者が人口の多くを占めていたようで、ピーク時には「鉄道関係者とその家族が3割だった」とか。なお人口やJR乗車客の最盛期、常盤軒は24時間営業に近い状況もあったそうで...。
しかし現在の人口が750人の過疎地なら、後継者どころか高齢化率とかもエライことになってるのでは...?と思って人口の割合や推移を調べてみたら意外な事実が...!
介護施設と高校
高齢化率29%
池田町の高齢化率は十勝管内でもトップクラスの40%超え。それに対して音威子府村の高齢化率はわずか29%!※2017年1月1日時点
全国都道府県平均の約27%と大差無く、北海道内では179市町村中、低い方から数えて22番目くらい。
どうしてそんなに高齢化率が低いのか、さらに調べてみるとその理由が2つ見つかりました。
村内に入居型の介護施設が無い
高齢者が少ない理由として、村内に入居型の介護施設(特別養護老人ホーム)が無いことが挙げられています。そのため入居を望む高齢者がどんどん転出していき、それに伴い高齢者の家族も転出していくため、と。
もちろん村の事業として特別養護老人ホームの建設を考えたこともあるそうですが、村内で入居対象となる高齢者が10名に満たなかったことから断念。
「若い人が都会に出て高齢者がまちに残る」のが高齢化率上昇の典型ですが、音威子府村では「高齢者の流出」って事態だったんですねぇ。
反対に池田町には総合病院も特養も老健もあるから、「高齢者が医療や介護を町内で解決できる」って理由で高齢化率が高いとも捉えられる...のかな?
北海道おといねっぷ美術工芸高等学校
高齢化率が低いもう1つの理由は人口に対して高校生が多い。
北海道おといねっぷ美術工芸高等学校(以下おといねっぷ高校)は1950年設立の村立高校。
生徒数は3学年合わせて115人(2017年5月)であり、村の人口の約15%。単純に6-7人に一人が高校生ってすごくない?教職員や関係者を合わせるともう少し割合上がりそう。
村民の15%もの生徒数を確保できるのは、おといねっぷ高校が北海道で唯一の工芸科の高校であり、公立校ながら全国からの受験が可能であるということ。
実際に2016年度の生徒の出身地内訳を見てみると、音威子府村が属する上川管内出身の生徒は36名(約31%)程度であり、その他北海道内出身が62名(約52%)、道外出身が18名(約17%)もいる。※池田町出身の生徒も1名いた!
学習内容も国語や数学などのいわゆる5教科の割合は少なく、芸術・美術・工芸などの科目の割合が高い。「余計な勉強はせずに芸術の道を歩むんだ!」と決意している子にとっては創作に打ち込めそうな良い環境ですよね。
もちろん道外や道内遠方からの入学者には寮もあり、入寮者は音威子府村に住民票を移すことが義務付けられているため、村の人口分布に大きな影響を与えています。
...が、おといねっぷ高校卒業後は進学や就職で村を離れる生徒がほとんどだそうで...。致し方ない気もするけど、村内の空いてる土地や物件探して、安く工房でも作れたら定着率上がりそうですね。高校卒業後すぐにでなくとも、専門学校や大学でさらに感性を磨いた上で村に戻って自分の工房を持つとか。
通常の創業や定住支援金以外に、おといねっぷ高校卒業生のUターン補助金(工房等設立に限る)でも上乗せがあれば、いずれ芸術家の集うまちになったりしないかな。
まぁ他所の話なので適当に言ってるだけですが!
常盤軒のそば
話が逸れまくって、肝心のそばの味について書いていなかったですね。
2017年8月、池田町観光サービス部会で稚内市に視察に行ってきたのですが、その帰り道に常盤軒に立ち寄りました。直前に立ち寄った豊富温泉の残り香を漂わせながら。※なおゲリラ豪雨的な雨に襲われ駅外観写真を撮り忘れる
見にくい写真ですが、お品書きです↓
かけそば370円!安い!
まず見た目ですが、麺は黒いです。
そば粉の種類は、
- 中心部に近い部分を挽いた一番粉
- 胚芽部分なども挽いたら二番粉
- さらに外殻に近い薄皮なども挽いたら三番粉
と分類され、外殻に近づくほど色が黒に近づき、そばの香りも強くなります。音威子府そばは殻ごと製粉したそば粉を使用しているため、ご覧の通り黒っぽい色になるそうです。
畠山製麺という村内の製麺所が生産しています。特産品の一つとして、ふるさと納税の返礼品にあるかなーと思ったら無し...残念。
歯応えも香りも味もしっかり強め。常盤軒のつゆは昆布だしのよく効いた味ですが、何もつけずに日本酒のアテにできんるじゃないかってくらい風味が良い。
ボリュームはちょっと少な目だけど、価格も安いので2杯食べたくなる味です。鉄道ファンの間でも名店として知られているようで、「数十年振りに訪れても変わらない味」と評されています。
北海道のアチコチをうろつくkuro隊員ですが、さすがに気軽に訪れる距離ではない(札幌から4時間、池田からは5時間!)ので、数年に一度しか味わう機会が無いかも知れません。
次に味わえるのは何年後かわかりませんが「あぁ、やっぱりこの味は変わらないなぁ」と、さも知った風な顔して言いたいものです。
営業情報
音威子府村商工会HPから情報拾ってます。
- 住所:北海道中川郡音威子府村字音威子府
- 電話:01656-5-3018
- 営業時間:10:00~15:30
- 定休日:水曜日※冬季は木曜も定休
※情報は2018年3月時点で調べたものです。訪れる前にご自身でも確認を忘れずに!
最後に
実を言うと、この記事の情報元である「おはよう北海道」を見てると書きたいネタがたくさんあるのです。
標茶町のボルダリングウォールを知ったのも同番組から得た情報なので、地域おこし協力隊としては興味深い内容ですよ。
ではまた(^_^)/~
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